学長メッセージ
ただ、神の召しによって
東京神学大学学長神代 真砂実
「職業」をどのように選ぶでしょうか。選ぶ基準は、いろいろと考えられるでしょう。自分の好みや素質を第一に考える人もあると思います。自分の得意なことを伸ばせる職業を、というわけです。けれども、職業を選ぶ理由は他にも考えられます。収入の見込みはどうか、つまり、おカネになるかどうかということが最優先という場合もあるでしょう。あるいは、きちんと休みがとれるかどうか、つまり、趣味や家族のために時間を使う余裕がありそうか、などといったことで職業を決めることもあるかもしれません。そして、もちろん家族や学校の先生といった、周囲の人々の助言によって決まるという場合もあるでしょうし、家業や家系という環境で決まってくることもあるでしょう。「医者の家系」・「教師の家系」などと言ったりするようにです。「家系」と言うと大袈裟になりますけれども、親の職業を自分も選ぶということも確かにあるに違いありません。
しかし、伝道者になる・牧師（キリスト教学校の聖書科の教員も含め）になるということについて言えば、そういった要素は度外視されます。牧師というのは――私たちが自分で選びとり、自分の才能と力を注ぎこむというような――普通の意味での「職業」ではありません。牧師の仕事は、神様から召され、与えられた仕事です。つまり、召命によるのです。この、召命が決定的であるというところで、世の中の一般の職業と牧師とは区別されます。
多くの人達が、召命を感じたとき、「まさか自分が」と思うのではないかと思います。それまでの人生設計や思い描いていた道が神様によって断ち切られて、召しは届くのですから。だからこそ、モーセやエレミヤのように抵抗することもあります。しかし、神様の御心は成就します。――神様からの召しが、あなたに届いてはいませんか？
