- 2021.05.19
- トピックス
事実に反する誤った報道への抗議
2021年5月18日
朝日新聞社
代表取締役社長 中村史郎殿
朝日新聞高崎支局 角津栄一殿
東京神学大学
理事長 近藤勝彦
学長 芳賀 力
理事長 近藤勝彦
学長 芳賀 力
去る5月14日の貴紙(東京版)に本学に関わる記事が掲載されました。これは、文部科学省に申し出た側の一方的な主張に沿った、明白な事実誤認に基づくものです。電話一本の問い合わせに事務側が「答えられません」と返答したことをもって、「大学は『ノーコメント』としている」と断じるのは早計です。本学を訪ねて事前に取材することもなく、事情をよく調べもしないで、一方的な主張だけを掲載したことに、本学は強く遺憾の意を表明します。文科省からの問い合わせや調査が行われるなら、全面的に協力する用意がありますが、本学の財政が献金(寄附金)に多くを負っているゆえに、このような事実に反する誤った報道は、本学の信頼を損ねる業務妨害に当たります。改めて新聞紙上に謝罪文と共に、以下の説明文を掲載することを求めます。
説明文:
5月14日に掲載した東京神学大学の会計処理に関する記事は、文部科学省に申し立てた側の主張を取り上げたものであったが、これに関して東京神学大学より以下の事情説明があった。
- 2017年に本学は証券会社からより利率のよい債券を勧められ、買い換えをした。あくまで利息収入を得ることを目的としたものである。その際、債券の売却と同時にまったく同額で金利のよい債券を購入した。すなわち、二つの債券合わせて額面6億円のものを5億1000万円で売却し、同時に二つの額面6億円の債券を同額の5億1000万円で購入して、等価交換を行った。確かに決算においては、額面より安く売却したため、9000万円の処分差額が生じたが、これはあくまで「差額」であり「損失」ではない。
- この処分差額9000万円が減少したため、第3号基本金に別の資金から繰り入れる必要が生じ、流動資産から4000万円、減価償却引当特定資産から5000万円を振り替えた。この9000万円は償還時に額面通りの額が戻った場合、相殺されるが、2017年度の決算書類には処分差額として記載した。新聞記事にある「奨学資金の基金」に「損失を出し(た)」ということはまったく事実無根の誤った報道である。
- 第3号基本金の取り崩しは、すべてキャンパス整備計画に用いられることを目的とし、寄附者の同意と理事会の決議に基づいて行われたものであり、処分差額9000万円を補填するために行われたものではまったくない。
- 本学は公認会計士の方々より毎年会計監査を受け、本取引はデリバティブ取引に該当せず、適正との評価を得ている。また理事会・評議員会の承認のもとで予算・決算を執行している。先の債券からも毎年1830万円の利子が収入として得られている。
(以上)
貴紙がジャーナリズムの本来あるべき倫理に則り、事実に即した報道をすることを強く期待します。