- 2021.05.25
- トピックス
偏向記事掲載への抗議
朝日新聞出版社
『週刊朝日』発行人 佐々木広人 殿
編集長 渡部 薫 殿
朝日新聞高崎支局
角津栄一 殿
『週刊朝日』5月28日号に本学に関して、「隣人を愛せなかった聖職者たち─東京神学大学で相次ぐパワハラ訴訟」と銘打った記事が掲載されました。5月12日に角津記者より学長宛にハラスメント問題についてFaxでのお尋ねがあり、これには、まず事実誤認を正した上で、学長として以下のように丁寧に回答しました。
- 「パワーハラスメントについてどのような所見を持っているか」については、「神学教育の場にあって人権侵害はあってはならない問題であり、訴えがあった場合には徹底的に調査し、適正な指導をするとの認識です」と回答しました。
- また「どのような学内管理運営体制を構築しているか」については、元学生の訴えを受け止め、学内のハラスメント調査委員会を組織したが、本人がSNSで学友たちに情報を拡散したため、調査を打ち切らざるをえなかったこと、しかし徹底的に調査するとの立場から、そこで事柄をうやむやにせず、理事長を通して外部の弁護士数名を入れたハラスメント問題特設委員会を立ち上げて厳正な調査を行っていただき、「教育的指導に違法性はなかった」との結論を見るに至ったという客観的な経緯を説明しました。
- 更に調査報告書の指摘する改善すべき点を真摯に受け止め、「ハラスメント調査委員会」をグレードアップさせた「人権侵害防止対策規定」を新たに定め、問題が起こった場合には人権相談員、人権問題委員会、問題解決委員会を立ち上げて、問題に迅速に対処できるような体勢を取っていることを事細かく説明しました。
にもかかわらず、5月28日号に掲載された記事ではこちらの回答は一切無視され、情報を提供した側に一方的に立つ極めて偏見に満ちた記載になっています。「学長らはパワハラ行為を否定しており、裁判で争っている。隣人を愛すどころか、身内との『殴り合い』の様相を呈している」との一文は、こちらの誠実な回答を真摯に受け止めたものとは到底言いがたく、「隣人を愛するどころか」以下の文章は根拠のない記者の主観的な主張であり、イメージを損なうように意図的な印象操作を狙ったものと言わざるをえません。
また「学内のトラブルはこれで終わらない」として元学生複数の訴えが列挙されていますが、事実の確認が一切行われておらず、訴えた側にのみ常に正義があるかのような偏った判断がなされており、著しく公平性を欠くものです。また元教授S氏は裁判を起こしており、係属中の事案について一方的な主張を報道すべきではありません。
記事の内容および広告の扇動的な見出しは品位に欠くものであり、本学の名誉を著しく毀損するものです。本学の財政は支援者の寄附金に多くを負っているがゆえに、こうした行為は本学の信頼を損ねる業務妨害に当たります。
よって本学はこの偏向記事に対して強く抗議し、編集長の謝罪と本学の回答を踏まえた記事の掲載を求めます。