2025年度入試情報

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学長室から――「神学校と教会とは車の両輪」(1)

 「神学校と教会とは車の両輪」というのは、東京神学大学において折に触れて耳にする言葉です。しかし、この言葉によって、一体、何が言われているのかということになると、実は必ずしもはっきりしていないように思います。ある方が、これは、神学校は学問の場所であって、信仰を養う場所ではないという意味であると書いておられるのを目にしましたが、本当にそうなのでしょうか。もう少し丁寧に考えてみるのがよいのではないかと思い、何回かに分けて、ここに書いてみます。もちろん、これから私が書くことが唯一絶対の正解であるというつもりはありませんが、考えるきっかけにしていただけたらと願っています。
 さて、「神学校と教会とは車の両輪」ということは、いつから言われるようになったのでしょうか。この言葉は、おそらく初代の学長である桑田秀延先生に遡るものと思われます。桑田先生が授業で、そのように語られたという話を読んだことがあります。さらに、桑田先生が1967年に学長を退任されるにあたって学報に出された文章に、「信仰生活と学問、教会の奉仕と教室の仕事とを切り放さず、車の両輪のごとく相補ってゆくものとして結びつけてゆくところにこそ、この大学の道があり、その将来へのゆたかな希望がある」という言葉を見出すことが出来ます。はっきりと「車の両輪」とあります。これが「神学校と教会とは車の両輪」という表現の由来であるようです。もちろん、桑田先生自身が、どこかから、この表現を受け継がれたという可能性もありますが、今のところは桑田先生から始まったと理解することにしておきましょう。(次回に続く)(神代)