2025年度入試情報

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学長室から――「神学校と教会とは車の両輪」(4)

 東京神学大学で聞かれる「神学校と教会とは車の両輪」という言葉に思いをめぐらせる、その4回目です。前回、桑田先生の言葉によりながら、これが具体的には神学校と教会の両方において神学生が学問上・信仰上の訓練を受ける、そのようにして伝道者として育てられていくということであるというところにまで辿り着きましたので、さらに、考えてみましょう。
 ここで特に興味深いのは、教会においても学問上の訓練を受けることになると言われているところではないでしょうか。このあたりになってきますと、だんだん私自身の考えの方が強くなってきますが、その前に、もう一つの桑田先生の言葉を引用しましょう。これは『神学とともに五十年』からです。――「信仰をもって聖書をよみ、主の教会の交わりに加わっている間に、イエス・キリストには実にこうした神の独自なる啓示の真理がこめられてあり、神の恵みによる罪の救いが与えられているとの意味にふれたものが、この真理と救いを理解するのである」(原文では「ふれた」に傍点が付してあります)。
 教会生活を通じて健全な信仰と神学に達することが大切だと桑田先生は言っておられるのでしょう。そして、「ふれた」が強調されているというところが注目されます。これは、私には、信仰と神学を、言わば「体感」・「体得」することを指しているように思われます。そのことについて、さらに考えていきます。(次回に続く)(神代)