教員紹介
教授
中野 実なかの みのる
教会の歴史は、聖書解釈の歴史である。代々の教会は、聖書を正典として受け入れ、それを通して生けるまことの神の働きを理解し、それに相応しく自らを形成してきた。
神学校において、私たちは聖書を多角的に(歴史的に、文学的に、神学的に)読む訓練を受ける。その学びの目的は、今も生きて働いておられる神の(イエス・キリストの)御業を理解する信仰の想像力を鍛えることである。
- 略歴
- 1985年 東京神学大学神学部卒業
1987年 東京神学大学大学院修士課程修了
1987~1993年 日本基督教団 茨木教会担任教師
1993~1994年 米国・プリンストン神学校に留学(Th.M取得)
1994年~2000年 米国・クレアモント大学院大学宗教学部博士課程に留学(2001年Ph.D取得)
2001年4月~ 東京神学大学で教える(新約聖書神学担当) - 最終学位
- 哲学博士(宗教)
米国・クレアモント大学院大学(Claremont Graduate University)
学位論文題 「神の民を罪から救う者イエス:マタイの救済論の研究」2001年
参考:クレアモント大学院大学 - 所属学会
- 日本聖書学研究所
日本新約学会 - 専門分野
- 新約聖書学
- 関連分野
- ―
- 長期研究テーマ
- 史的イエス研究、および福音書研究
聖書解釈の方法論:とくに正典批評
ヘブライ書研究 - 短期研究テーマ
- ヘブライ書の注解書執筆
- 著書・発表論文
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- Minoru Nakano, “Jesus the Savior of God’s People from Sin: A Study of Matthew’s Soteriology.” Ph.D diss. Claremont. Ann Arbor: University Microfilm, 2001.
- 「小さな癒しの物語の中の大きな救いの物語:ルカ13:10-17とイザヤ58章(70人訳)」『神学』63号(東京神学大学神学会、2001年)80~103頁
- 「救いと躓きの間:マタイの救済論に関する物語批評的考察」『神学』64号、2002年
- 「『高いところからの力に覆われて』(ルカ24:49)―使徒行伝における聖霊と霊的生活」『紀要』6号、東京神学大学総合研究所、2003年
- 「今日ヨハネ黙示録を読むために」『紀要』6号、東京神学大学総合研究所、2003年
- (共同編著)『新共同訳聖書事典』、日本基督教団出版局、2004年。
- 「イエスとレプラの清め:イエスにとってイスラエルとは?」『聖書学論集38』、日本聖書学研究所、2006年
- 「マタイの物語を味わう:救いとつまずきの間を歩む神の民」『聖書セミナー14号』、日本聖書協会、2008年
- (監修)樋口進、中野実『聖書学用語辞典』日本基督教団出版局、2008年
- 「『聖餐』の歴史的三つのルーツを探る:個性的であるがゆえに 魅力的な共同体形成を目指しつつ」『まことの聖餐を求めて』教文館、2008年
- 「『私たちも負債のある者たちを赦しましたように』:イエスの祈りとしての『主の祈り』」『神学』70号、東京神学大学神学会、2008年
- 「マルコ受難物語・注解ノート(1)」『神学』71号、東京神学大学神学会、2009年
- 「聖書の『ツァーラアト』『レプラ』をどう翻訳するか」『聖書翻訳研究32号』日本聖書翻訳研究会、2011年
- 「聖書の原典をたずねて(新約聖書編)」「聖書の翻訳とは:「聖書新共同訳」発刊20年ーそして次の聖書翻訳に向けて」『聖書セミナー15号』日本聖書協会、2011年
- 「赦しと裁きの間を生きる:マタイ18章をめぐって」『神学』73号、東京神学大学神学会、2011年
- 「『見よ、私は最後のものを最初のもののように創る』:新約聖書における創造と終末」『神学』74号、東京神学大学神学会、2012年
- 「キリスト教の洗礼の起源に関する一考察」『伝道と神学』5号、2015年
- 「聖書正典(カノン)と信仰の規範(カノン):その相互作用について」『伝道と教会』6号、2016年
- 共著『新約聖書解釈の手引き』日本キリスト教団出版局、2016年
- 「全信徒祭司性:その聖書的基礎づけの再検討」『神学』79号、東京神学大学神学会、2017年
- 訳書:J・H・チャールズワース『これだけは知っておきたい史的イエス』教文館、2012年