2025年度入試情報

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学びの特徴 4つの神学

聖書神学

聖書神学

言葉の科学

聖書は、人間の言葉に表された神の言です。言葉は神と人との間であれ、人と人との間であれ、間で成り立つものです。言葉によって、主体の間の関係が、どのようなものであるかが表されますが、どのような言葉が語られるかによって、主体の関係が作り出されるものでもあります。聖書には何がどのように書かれているのか。それゆえ神と人とはどのような関係にあるのか。聖書神学はそのことを究明します。何より大切なのは、聖書そのものを聖書に書いてある言葉で、じっくりと徹底的に読むことです。

指し示された契約(旧約)と実現した契約(新約)

現代の聖書神学は、旧約聖書神学と新約聖書神学に分かれます。一方は律法によって指し示され証しされた契約であり、キリストの到来によって過ぎ去った古い契約ではなく、キリストによって、初めて満たされた第一の契約です。もう一方は、第二の契約ですが、主の救いがイエス・キリストによって実現したことの証です。

組織神学

組織神学

教義学・倫理学・弁証学の三分野から成る

組織神学は、キリスト教の信仰内容を現代の文脈に即して捉え直し、理解を深めて行く学問です。そのうち「教義学」は、旧約と新約の聖書神学、教会史の知識を踏まえた上で、代々の教会が大切に受け継いできた教えを、体系的・組織的・総合的に考察し、その現代的意義を明らかにします。「倫理学」は、キリスト者が具体的な生活の場で直面する諸問題をどう考え、行動すべきかを考察し、教会に進むべき指針を提供します。「弁証学」は、現代社会にあってキリスト教に向けられる疑問に答え、福音の真理性を明証しようとするものです。

確信をもって福音を宣べ伝えるために

福音の真理を宣べ伝えるためには、熱心さだけでは空回りします。また木を見て森を見ない部分的な知識では道に迷ってしまいます。伝道者にとって必要なことは、統合的な信仰の深い見識とそれに裏付けられた確信です。組織神学はまた教会の自己吟味として実践神学に理論的土台を提供します。

歴史神学

歴史神学

歴史神学とは

歴史神学とは、キリスト教会と教会の教え(教理)の歴史を学ぶ神学の分野です。キリスト教は、主イエス・キリストの福音の宣教から始まりますが、古代の地中海世界から、ヨーロッパ、さらにはアメリカ、アジア、アフリカと世界中に伝播していきます。福音という宣教の核になるものを保ちつつ、時代や文化の移り変わりとともに、さまざまな教会と教理が形成されていきます。これらは、わくわくするような人間のドラマでもありますが、そこに神の摂理と計画を読み取ることもできます。

テキストをコンテキストに照らして読む学問

歴史神学は、歴史史料との格闘を大前提とします。そのためには、ギリシア語やラテン語、さらには現代の諸言語で書かれた史料を読む訓練を必要とします。歴史史料(テキスト)は、その史料が書かれた歴史や文化の脈絡(コンテキスト)の中で書かれました。そこで、テキストをコンテキストに照らして読む作業をします。歴史を読み解くセンスは、現代社会に起こっている問題を分析し理解するセンスとつながります。したがって、歴史神学は、すぐれて現代的な学問と言えます。

実践神学

実践神学

神の実践に参加するために

実践神学のルーツは、「牧者の学」「司牧学」にあります。しかし、「牧師の実践」にまさって、「神の実践」すなわち「神の救済行動」が主題ですから、今日では「実践神学」と呼んでいます。牧師の務めは神の実践に参加させていただくことです。神の救済行動の中で、人間が神の道具として用いられるために、「説教学」「礼拝学」「牧会学」「キリスト教教育学」の学びが必要になります。

神学諸科を統合する課題も

そもそも神学全体が生きておられる神を神として崇め、神の実践にお仕えするためにあります。教会やキリスト教学校での働きには、神学的な知識、能力を総動員することになります。「東京神学大学では伝道論を教えていない」と言われることがありますが、それは誤解です。神学全体を伝道学と理解しています。そして、神学諸科を一つの伝道学として統合する働きをするのが実践神学なのです。